HDLコレステロールが高いなら人間ドックでは安心?

健康診断や人間ドックでは、総コレステロール値を調べて病気の有無を検査することもあります。この総コレステロールというのは、HDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールを合計した値です。このうち、人間ドックで問題になるのはLDLコレステロールが多い場合のみとされてきましたが、近年ではHDLコレステロールが高すぎても問題があることが分かってきました。コレステロール転送たんぱく質欠損症という病気で、この場合は転送機能が上手くいかないことでHDLコレステロールの値が高くなります。

従来までは「HDLコレステロール値が高ければ、悪玉であるLDLコレステロールの増加を抑制してくれるので動脈硬化などの防止に良い」といわれてきました。しかし、コレステロール転送たんぱく質欠損症ではそれとは異なり、動脈硬化の発症が起きたり進行する可能性があります。HDLコレステロールの値は、少なすぎても多すぎても問題があるということです。値としては、基準値が40~119mg/dlで、要注意は30~39mg/dlの少ない場合と、120mg/dl以上の多すぎる場合にも問題となります。

人間ドックで今までHDLコレステロールが多いと言われてきた人でも、もしかするとコレステロール転送たんぱく質欠損症で数値が高く出ている可能性もあります。基準値以下では脂質代謝異常・動脈硬化・糖尿病・心筋梗塞・高血圧などが心配されますが、高いからといって安心しきってしまわないようにしましょう。

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